篠山紀信 写真力@福井市美術館

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篠山紀信 写真力 @福井市美術家にて

観客動線が良かった。

いつもの動線(エレベーターで上に上がって第一展示室に入る)ところは違い、奥の第二展示室までわざと歩かせて、二階に上らせて、暗い部屋に入る。「鬼籍」の部屋。等身大以上の大きな、かつての、あの人たちの写真が、手前にある迫力と近さ。テレビの世界の人だが、精神的に近く見えた。

そこからの第一展示室。
歌舞伎の面々の写真は、歌舞伎を生で見たことがないわたし(もしくはこうした地方の鑑賞者)にとって、「見たい」欲と昂る「あこがれ」を感じた。
生で見たことがなくても、あの表情の一瞬を、捉える、ということは相当に誰でもできることではない、とわかるだろう。写真にぶれがなく、かつ、演技と役者と本人を交差する表情。

構成もよかったし、写真も良かった。篠山紀信の写真というより、写真っていい、と最後に思えた、その見直させる力が篠山の力なのか。俺ってすごいんだぜ感が感じられなかったから。

ひとつ残念であるなら、チラシのビジュアルか。
私基準でいうなら、ビートルズ世代でもないし、あの写真に惹かれる要素がなかった。
テンション低めに行ったら、展示されている作品がとてもよかったので、逆にあのメインビジュアルがもったいないと思った。主催としてはどこかに意図があったのだろうが、歌舞伎の写真のほうが本当は年代問わず、目も興味もひいたいのではないだろうか。こういうギャップがあって周囲から「意外に良かった」という来場者の声をきいたものだ。

 

 

 

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