シンポジウムに参加の備忘録。
尊敬する方々が情熱を持って参画している日仏協会。お手伝いをはじめて5年経ちました。あっという間の5年間。
金沢日仏協会さんのお話
行政主導ではじまり、受け皿として金沢日仏ができた。ナンシー市と姉妹都市を結んでいる。昭和48年(1973年)に姉妹都市、協会発足が翌年。40年を越えた老舗協会。地元の名士の方々が参画している。(ちなみにナンシーはフランス語の先生、ニコラの故郷です)
近年ではアニメツーリズムやお菓子作りワークショップ交換会をしている。フランスから学生や人を受け入れて、金沢の文化を知ってもらうとか。お菓子作りは、フランスのパティシエを受け入れて、滞在してもらい、金沢の和菓子を勉強して、新しいフランス洋菓子を創造してもらうとか。実際にフランスで披露して、受け入れられるかどうかもテストもした。フランス人はあんこ、小豆が苦手だということがわかった。生菓子実演は超人気だったそう。
岐阜日仏協会さんのお話
発足して32年ほど。もともとあったが、偉い人ばかりの会だったので2年くらいで終わった。そこからしばらくして市民レベルで機運が高まった。フランスのブザンソンへ有志150名でのりこみ、岐阜をPRした。8日間滞在。滞在中に小中高大を回ったら、ぜひ姉妹校になってほしいと要請があった。愛地球博にも参加。イベント続きに疲れてしまい、イベントの開催ではなく人を受け入れる方向にしようと転換、10年前からフランスの学生を受け入れている。3週間ホームステイ後、4週間地元企業にインターンさせる。
また岐阜の地酒とアルザスのワインとの酒組合との交流が生まれて進んでいる。10月にはフランスで落語を行う。岐阜県知事に理解があり、フランスとの姉妹都市を積極的に結ぼうとしている。
奈良日仏協会さんのお話
仏像は持って行けないが、仏像の写真なら持って行ける。奈良には小川幸三さんという仏像写真家がおり、写真を現像するのに岡村写真という美術写真を現像する大きな会社の社長さんが当時会長だった。いろいろな運が重なり、2004年にコルマールとストラスブールで仏像写真の展覧会を行った。奈良市自体は、ベルサイユ市と姉妹都市。たまたまそんときにベルサイユにゆかりのある画家いて、その方が個人レベルで動いて締結までもっていけたときいている。姉妹都市は個人レベルでのつながりから発するのが多いかもしれない。
新潟・フランス協会
平成3年(1991年)発足。平成21年(2009年)にナント市と提携。発足時の目標が姉妹都市設立。新潟にとってどこが姉妹都市としてよいか、いろいろ探った。政治的にも文化的にもマッチするところがナント市だった。人口規模が同じ、地形、川があること、交通のインフラも似ていたから。行政からの援助は一切もらわないモットー。
会員300名。講座を開いているが、それは会員しか受けられないようにする。法人会員も40社。年間3万円。個人会員と同じ額になっている。2013年にパリ支部を設置。新潟出身のパリ在住でつくる。新潟日報のヨーロッパ支店とも一緒になっている。
姉妹都市の先の人は何を求めている?
姉妹都市になるためには?
日本文化を深く知りたい、日本人以上に詳しい人たち、勉強している人たちがいる。その方々の要望にこたえるようなことを受け入れ先でできるようにしている(金沢)
姉妹都市にはお金もかかる、人数予算、行政には他の姉妹都市もあるから無理だと言われた。しかし市民が望んでいるならやるべきだとおもう。経済交流は商工会議所にまかせ、文化交流は市民レベルでやる。芸術文化の交流はしやすい(新潟)
実績を作る。人の行き来が多いので、市民の交流が頻繁なので、姉妹都市になろう、というのがいい流れ(岐阜)
いずれも20年以上の設立を交流をもつ協会さんたちでした。開催しているイベントや講座の内容はだいたい同じようなものですが、どの県にもフランス好きはいるということですね。またフランスだけではなくて、それぞれの県にはドイツやモンゴルとか他国の協会もあるということです。それぞれがあるって面白い。
金沢は行政が入っているので、イベント規模が大きいです。職人連れて行くとか市制100周年でやるとか。岐阜は市民レベルでやっていることながらも、ホームステイの受け入れの期間が長いし、毎年だし。
いずれもみな大学との交流、学生同士の交換、ということを何かしら行っているんですよね。若い子たちにもっとチャンスを、教育の場、学ぶ場を広げよう、という心意気がありました。奨学金制度とかあればいいのに。教育を受けて戻ってきた人が地域の財産になる。
新潟のお話を聞いて、運営面、経済面での強化が福井にも必要だなと思いました。運営と存続にはお金の話は抜きに出来ない。活動資金を確保するために貪欲になってもいいと。会員特権はあったほうがいい。企業会員はなにかしらのリターンがないとお金はだしてくれないかな-。年間3万円なら出せないことはないし(無駄な名刺広告1回分です)。
カウベルにはコミュニティ運営の相談もあります。私たちが仕事で似たようなことをやっているからかな。主催と共同の危うさも知っています。カウベルでやるイベントは主催のみ。
コミュニティは、一筋縄ではいかないし、経験とノウハウと金と情熱。
福井日仏協会5周年記念シンポジウム 「地方における日仏交流」
パネリスト:岩城紀男(金沢日仏協会)、飯塚保江(岐阜日仏協会)、野島正興(奈良日仏協会)、本間 彊(新潟・フランス協会)
日時:7月11日(土) 14:00~16:50
場所:福井県国際交流会館3階 特別会議室
シンポジウムの後は、豪華なお料理パーティ。
この日のために、役員さんたちが一生懸命仕込みをしてくれました。準備も後片付けもすべて手弁当です。本当にお疲れ様でした。情熱です、情熱がこのパーティを作ったんですよ-。100名の参加。
福井日仏協会では、フランスのことを知りたい、フランスの文化や芸術が好き、留学をしたい、フランス語をちょー初心者からやってみたい、といった方々の入会をお待ちしています。イベントや講座もあります。会員の方にはもれなく運営のお手伝いもお願いしちゃいます。9月に新たにはじまります。告知はHPで行いますのでチェックしてシルヴプレ!
福井日仏協会
http://fukui-france.seesaa.net/