【上海美术旅行】勝手な勝手に上海ビエンナーレの話其の壱_上海双年展其一

第9回、上海ビエンナーレに行ってきました。これが今回の旅の目的です。

今回から、会場が大きく変わったことが話題のようです。これまでの様子は知らないので、どんな作品でどんなクオリティなのかは知らずに。

出発直前に、下調べはしておこう、と思ったら、なんと!事前予約制とあるではありませんか。

1 パスポート番号と、中国国内で通じる携帯電話番号を事前に知らせる。入場時間も決める。
2 登録フォームに打ち込む(しかも全部中国語)。
3 登録の仕方が分からなかったら、分かる中国人の友人にしてもらえ、ということらしい。
4 事前に、会場まで予約チケットを取りに行く(なんたる二度手間)。
5 発行に2日ほどかかるので、お早めにね(たぶん先着順で満席の可能性あり)。
6 これだけやれば入場無料ですけど。

ということでした。友人のO氏に依頼して、このシチメンドクサイことをしてもらいました。以前はこんな手配ではなかったそうです。聞いたところでは「上海万博」やら国際展なぞで、想像以上の来場者が押し寄せ、中にも入れず戻れずな混雑ぶりだったので、わざと来ないような仕掛けをしました、ということらしいです。「誰でも入れるんじゃねえ、これほど面倒な手続きをしてでも来たい奴は来い!」という挑戦状的な…。
通訳の韓さんは「事前にいろいろ面倒なことさせるのが中国なんですよ」とぼやいてました。なんとなく納得。
それでも、その日に行って、ふらふらと入れる場合もあるそうで、いい加減ぶりも中国的とも話していました。
また美術館や博物館は無料で入れるようにする、という方針もひとつあるそうです。

で、現地の人にめんどくさいことを押しつけて駆けつけた朝の9時。会場は、元上海万博跡地にありました。

 

いろいろ見てきたのですが、中国語分からないまま、そのうち英語の解説もいちいち読むのに疲れて、感覚で見てきました。なので「なんとなくの感覚てきなー」程度の解説です。的外れかもしれませんが、お許しを。

旧火力発電所を改装した現代美術館です。「上海当代芸術博物館」と名前を変えました。
このフラッグに心アゲアゲ↑になるのは私くらいか。
左が火力発電所だったとき、一番右が今の姿です。1985年に建てられ、2006年に改装、2012年10月に美術館に生まれ変わりました。
今回のテーマは「重新発電/Reactivation(再生)」。「Resources(資源)」「Revisit(再訪)」「Reform(再編)」「Republic(同じ目的を持つ社会)」という4つの「R]をキーワードに、4部門で構成されています。2012年10月から3月まで開催。
左はしの全身朱色のおばさまが、とても熱心に見ていた姿が印象的でした。このおばさまの姿、全館上から下までいろんなところで目にしました。
一般の人がモデル。将来なりたい自分の姿を後ろの壁面に映した作品。

 

中国の家庭にある机とテーブルで、食事をするときに使うらしい。
よくみると「承諾書」と書かれたなにか契約めいたものが直接彫られていました。各テーブルに彫られていて、どれも書体が違うことに萌え。

国ごとに展示フロアがあり、キュレイターが選出した作家が出品されていました。たぶん先の「R」に関係するんでしょうが、いまいちそれがどう関係しているのか分からなかったです。なにを表現したいんだろう?と。だから作品もいまいちなものが多かったし、目玉な作家さんも作品もいないようだし(知らないだけか)、ぐぐっと来るものも無かった…。テツ氏を連れてこなくて良かった、さっさと帰るといいそうだもの。

テーマを念頭に入れながら廻ると、もやもやします。国際展ではテーマは無視せねばならないと思います、残念ながら。

それでも単純に面白かった作品(そうでないものも含む)をざざっと紹介。

 

輪ゴムがぐるぐるまわる映像作品。平面作品もあって、なかなか繋がりが良かった。
今回見たなかでぐぐっときたロシア・モスクワの展示。有名美術家の名前とろうそく。
月を想起させる作品(だそうだ)。
よく見ると…人差し指なんです、コレ。韓さんは「おもち、トッポギかと思った」と苦笑。

 

莫高窟を思い出させるなあ。よく勉強したなあ、こんな仏像。
近づいて見ると、点線で繋がってる。
これもグッと来た第二弾。盲目の人たちをモチーフにした作品。盲目の人に海を見せる映像。
米粒や穀物の粒にお手紙を書いています。見えないので顕微鏡で読む、見る。でも、どうやって…書いた? この方の、カーブミラーを使って見えそうで見えない作品も良かった。
ばか広い一階の様子。右側のうねうねした物体は、椅子を使った作品です。龍に見える
エントランス最初にそびえたつ、中国人作家ホアンヨンピンの千手観音。
なにか、天井から白いものが降ってきそうだよ。
西野康造さんの作品(部分)。空間いっぱいに広がった細い線の作品なのに、見渡して見るとはっと気付かされます。ちょっと待って、どうやってこれバランスとっているんだろう…と。空がないのに空を感じさせる作品でした。
韓さんの解説がなければ分からなかった作品。福建省の福建土楼(世界遺産)を上から見たところだそうです。真ん中が井戸です。『井』沈遠(フランス/中国)。

集合住宅への入り口は一つしかない、城壁を住宅にしたようなかたち。この場所で生活している人に会いたくなりました。
阪神交通社のサイトより(福建土楼の解説)
http://www.hankyu-travel.com/heritage/china/tulou.php

見た目にキレイな作品だと思う。
黒い箸のようなものが並んでいるなあ、と思ったら。
虫に喰われていて(たぶんわざと)、喰われた合間から文字が見えています。
左橋の花瓶のように繋がっている1本の数珠作品に注目。
ここ屋上。1階から7階まで同じ場所を突き抜けてます。

これで、やっとこさメイン会場終わり。休みなしで3時間30分歩きっぱなし。同行の韓さん、えらい人に捕まった…とおもったことでしょう。そう、国際展巡りは体力勝負!通常は私は山登りか音楽フェスに行くような格好でまわりますんで。

まだ、これ一部だからね!午後はサブ会場へ。

第9回 上海ビエンナーレ

会期:開催中~2013年3月31日
時間:9:00~17:00(入場は16:00まで)
会場:上海当代芸術博物館(上海市花園港路200号)
最寄り駅:地下鉄4号線「南浦大橋」駅(2号出口から徒歩約12分)
入場料:無料(事前予約制)
※中国で使用できる携帯番号とパスポート番号が必要。

ウェブサイト:http://www.shanghaibiennale.org
予約ページ:http://artshow.eastday.com/shddysbwg/index.html

今回参考にしたサイト
上海ナビ
http://www.shanghainavi.com/special/5043265
会場移動と目安に便利。大変役立ちました。

清水敏男さんのブログ
http://shimizuart.exblog.jp/18030268/
同感、同感。

HITSPAPER
http://antenna7.com/asiaspot/2012/10/shanghai_biennale.html
写真がキレイで、作家作品名もきちんと載っています。総合キュレイターの解説もあり。

 

【上海美术旅行】勝手な勝手に上海ビエンナーレの話其の壱_上海双年展其一」への1件のフィードバック

  1. kanakoo さんの発言:

    全体的に、中国っぽい?作品が多い感じ。

    盲目の人、のは、ソフィ・カル?
    好きなのー。

    返信

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