戦士に、「お母さんは、どこからきたの?」と聞かれました。どこの小学校に通っていたのか、という意味らしい。
「福井の人ではないのだよ」とママン。間違ってはない。
「じゃあ、どこからなの?」と詰め寄るので「がいこく」と答えると「嘘だあ」と鼻で笑われた。
ので
「ほんとうのことをいうと、宇宙からなの。お母さんは実は、宇宙人なんだよ。誰にもいっちゃあいけないよ」
というと
「変なことを言うな!」的な顔をされた。
ので
「しょうがないなあ。内緒だけど、写真を見せるからちょっと待って。たしか、木星の写真があったはず。お母さんは木星人なんだ」
と言って見せたのが、この写真。
戦士、少しいぶかしむ。
「昔、捕まっちゃった子もいるんだよ。」
とこれを見せる。
「ごめん、いつも出張って言ってたけど、実は、木星に行っていたの…」
と神妙な顔で、すまなそうに伝える。すまないついでに、
「そういえば、夏に遊んだYT兄弟のお母さんは、火星人なんだよ。YT兄弟は、お母さんが火星人だって知らないから、内緒だよ。」
「なんで、そんなこと僕に言うんだよ」
「だって、YT兄弟もそのお母さんも県外にいるし、遠いところにいるし、お話しすること無いじゃん」
「次に、会った時に、火星人だっていうもん!火星人っていう証拠あるんか!」
「写真をもらったんだよ。たしか、これこれ」
といって見せたのが、これ。
「人の顔をした岩があるんだよ。地底に宇宙人が住んでいるんだよ」
「土星もね、きれいなんだよね。お母さんはよく外から見ていたいたよ」
「出張のときは、この宇宙船で、行くんだよ」
あ…、これ見たことある…、とつぶやく戦士。そうです、このドラマ、休日に私が洗濯干しながらよく見ているので、戦士は見たことあるはず。
ママンは宇宙人である、という告白とあまりの情報量に、しまいには、ふてくされる戦士。
そのまま話は終わるのかと思いきや…
しばらくして、風呂に入り、私が悪女の体をバスタオルでふいているとき、突然に風呂場のドアが開き
「おかあさん!おかあさんの言っていること嘘だよ!だって、ばあばちゃんがお母さんを産んだって言ってたもん!」
「いやいや、ばあばちゃんが、おかあさんを産んだっていう記憶をだね、宇宙人に思い込まされているんだよ」
戦士絶句。
かわいそうなので
「うーん、おかあさんも、人間と一緒に長くいたから、人間に近づいて、ほぼ人間になっちゃったかも」
とフォローする。
そのまま話はやっと終わったかな、と思ったら…
寝しなに「おかあさん、お父さんに、お母さんが火星人って言っていい?」
「だめだよ。お父さんが、宇宙人と結婚したって知ったら、ショック受けるかもしれないでしょう。だから内緒にしているの。ちなみにお母さんは、木星人だからね。」
それでもどうしてもいいたかったらしく、遅くまで起きて帰宅を待つ戦士。
「お父さん、あのね…」とささやくと
「おかあさん、お父さんに言ったら、宇宙人でも好きだからいいんだって!」
ありがとう、おとうさん。