●横浜美術館開館30周年記念 生誕150年・没後80年記念 原三溪の美術 伝説の大コレクション
作家に詳しくてもコレクターには詳しくなかったのですが、最近、コレクターの方の作品を見ることが多くなったので気になってました。
ポスタービジュアルが孔雀王(漫画ではない)でして、どうもこの方が購入したものが国宝になっちゃったようです。原三渓さん、今でいうハンドルネームです。
この方のコレクションというよりも、この方の略歴に響きました。
簡単にいうと、岐阜のお金持ちのおうちでうまれた(おそらく庄屋さんとか地域の長みたいな立派なお家)方が、東京に出て、さらにお金持ちのお嬢さんと結婚して、逆玉に。
事業の才覚があったのか、譲り受けたのが「富岡製糸場」。譲り受けたとありました、もらえるもんなのですか。
明治のあの時代に、ニューヨークやロンドンを行き来して支店を出すほど。製糸業で財をなしたそうです。
で美術とどうかかわりがあるかというと、実家のお母さんの家系が美術一家。水墨画の大家のような流れでした。そのこともあって昔から絵(水墨画)にふれ、16歳のときに描いた絵が、今の16歳では描けないだろう、というくらいうまい。ほんとにうまい。自分が描き見ることもしたので審美眼を養えたのだと思います。
で、30代で井上馨クンから、当時の1万円(っていくらくらいなの)で孔雀王を購入。
すると「え、そんな大金ポンと出した若造ってだれや!」という今でいう前澤社長のように騒がれたそうで、それで一気にコレクターとしても文化人としても経済界でも有名になったわけです。ここんとこ、見習ってほしい今の社長さん。
戦争や世界恐慌の影響でそれほど買えなくなったそうですが60代で長男を亡くされる悲しいこともあったようで、長男を偲ぶために開いたのがお茶会。ああなんてしびれる偲び方。
原さんご自身の絵はとてもキュートで伸び伸びしていました。
購入した絵と価格をすべて帳面に書いていたのも、のちのち資料のひとつとなるなんて。ご本人は帳面を美術館に飾られるなんて思ってみなかったでしょうねえ。それにしても綺麗な字でした。
後半は、横浜美術館の館蔵品を見学。こ、これが、動けなくなるほどの素晴らしい所蔵でした。「もの派」ルーム、私、昇華しちゃいそう。
●原美術館
2020年で閉館になる原美術館へ。なぜか原巡りになってしまった。学生の時はよく行きました。
加藤泉の展覧会でした。正直私はあまり好きではないタイプ。プリミティブさがよく伝わってこないから。
玄関にあったナムジュンパイクのテレビを使った作品は、メンテナンスができないそうでもう映らない作品になってました。ブラウン管テレビの作品が20年後に映らなくなるなんて誰も想像してませんよね。
鈴木康弘のコインの作品に救われ、森村安正の作品に安定を見出し、庭に出て
あのカフェでお茶すると東京人になったなあと思っていた20代をうっすら思い出しました。
●ポーラ ミュージアム アネックス
サマー スピリッツ(SUMMER SPIRITS)
https://www.po-holdings.co.jp/m-annex/exhibition/archive/detail_201908.html
終えて銀座シックスとポーラギャラリーへ
ポーラはいつも若い作家のいい感じを選出してきます。
博多どんたくの技術を使って人形の新しい世界雄切り拓く
野球好きにはたまらないだろうしぷりぷりな人形好きにはたまらない。
ネットで展覧会の写真を見て力を感じたので来てみたら本当にいい作品だった。
遊び心とそこを支えるクオリティがあり、伝統文化さえ横たわる人形師さん。この人は注目です。作品がほしいな。
中村弘峰
https://www.hiromine-nakamura.jp/
●銀座シックス
銀座シックスでは蔦屋書店を目に
結構ライトな感じの美術書が並んでました。(軽く読めるカルチャー系というかおしゃれさをまとった本というか)
福井では見られない建築系のメモリアルブックなどはそれをみるだけでよさそう。
●Fleur de Sarrasin (フルール ド サラザン)
http://www.fleurdesarrasin.tokyo/
03-6876-1851
夜は ガレット店へ。
フランス・サンマロへ行ったときののシェフが日本に戻られオープンしたマジガチ本気な店です。ヤッホイ♪ あのときの、フランスのガレットをこの浅草で食べられるなんて…
そして国産のシードル。なかなか流通しない、高いけれども、生産者さんを支えたいと店主は出しているそうです。ここでしかこれだけの銘柄は飲めないだろうなあ。